自己管理をそだてる指導・・・って何してるの?
塾屋は、生徒を自己管理できる人に育てていく指導を行っています
これは「早寝早起き」といった生活面ではなく、あくまでも「勉強関連」についてです
塾内では、自己管理シールを使っています
塾内では、自己管理の段階を示すシールを用いて指導しており、柔道の帯の色のように「〇〇できるようになったら〇色」という感じで分かれています
現在は4段階に分かれています
色 | 段階 |
シール銅 | 定期テストまで自己管理ができる |
シール黄色 | 日々の勉強生活は自己管理ができる |
シール赤 | 日々の自己管理が不十分(入塾スタート時の色) |
シール黒 | 日々の自己管理以前の状態 |
成績が上がっても色は変わらない?何年通っても変わらない?
色が変わる基準は明確です。テストの順位でもなければ、内申でもないです。1年通ったら自動的に・・・もないです
『〇〇できるようになったら』という条件が明確にあります
色が下がる条件も明確にしてあります。
他のスポーツや資格と違って、自己管理を怠っていればシールの色は悪くなります
シール赤→黄色が最も大きなハードル?
中高生の黄色→銅になるハードルは「定期テストの対策を完了させて結果を出す」という条件なので、非常に分かりやすいですが、赤から黄色になるのは「日々の勉強生活において自己管理できているか」なので、何をもって黄色になれるか分かりにくいですよね?
初公開!自己管理、これができたら任せられる!
シール赤の子にこの表を渡します
ここにある通知表のような項目たちが、塾屋の考える
『日々の勉強生活を任せられる人かどうかの条件』です
いくつか具体的に説明しますね
例1:対話する力(1:1)
日々の勉強生活を任せられるかどうかは、大きく言えば「日々の勉強を解決できるか」ということです
ここでの対話する力というのは
□困った時に親や親友以外の人に質問や相談ができるか
□人から頼られたときに親身になって協力(サポート)ができるか
□男女や年齢に関係なく、仲良しじゃなくても割り切って会話できるか
という能力です
たしかに、テストの点数には直結しないかもしれません。実際に学年1ケタでも、この能力が皆無でシール赤にしばらく居た子もいます。しかし、トレーニングをして「だれでも困った時に声をかけにいく」経験を積んだため、今では親以外の人にも相談したり意見を聞くこともできるようになり、学校でも勉強を教えてあげたりするようになりました
例2:目的思考力
塾屋の演習日では、勉強した内容をスタッフが出すテストにクリアしたことで「できるようになった」と判断しています
そのため、ワーク〇ぺージとか〇回解くという見た目の量は全く気にしておらず、そこで何かを判断することはありません
シール赤の子の中には
・漢字の暗記
と
・英語の文法
といった全然ちがう勉強なのに、同じように勉強してくる子がいます
今回の勉強内容はどんな内容か?
どういうテストの出され方をするのか?
自分の今の状況(仕上がり)はどの程度か?
そういった「目的思考」が浮かんでいないわけです
能力があるかどうかは、塾長が「観察して」判定しています
これらの能力はペーパーテストをしただけでは分かりません。授業を大人しく聞いている、ワークを解いているのを眺めているだけでは分かりません
塾長はシール赤の子の「塾内の言動」を観察して、また、連絡ツールであるLineで送る連絡を見て理解しているか、それによって行動しているか・・・なども観て判断しています
そのため、塾内では独り言のように
「あーそういう能力はあるんだ~」とか「あ、なるほど、そこは無いんだね」といった言葉を聞こえないレベルで話しています
生徒のキミ!どんどん「あります」アピールを!!
とはいえ、一週間で毎日いるわけでもない塾のなかだけで判断していくのは難しい話です
もし、早く黄色になりたいなら「オレ、ちゃんと女子とでも対話できるよ」というアピールをしてください(^^♪
これはスポーツや会社でも同じです。その能力があるなら上司や監督に見えるようにアピールしますよね。それによって自分の評価が早くきちんとなされるわけです
過去に、こんなケースがありました
うちの息子、なんで「対話する力(1:1)』がないって判定されているんだ?学校で学級委員をやっているんだぞ
とお𠮟りを受けたことがあります
そこで私は
学校で学級委員をしているから、勉強面で「対話できる」とは限りません。実際に、演習内容で分からない所があるのにスタッフや私に声をかけることもなければ、同級生に聞きに行く姿もありません。間違えて悔しがってはいますが、それで終わっていて、そこを解決するための行動はしないまま、次またテストに来て間違えています。
という感じで返しました
結局、その子は(そのご家庭は)「うちの子のことが分かっていない(見ていない)」と判断して退塾していきました
2年後、お母さんから「中学に入って成績もどん底で、その後入った塾で個別指導を受けているけどダメ。お父さんも最近よく塾屋を辞めてしまったのが間違いだったと話しています。なんとか今から復帰できないでしょうか」と連絡がありました
残念ながら、その現在の成績や状況と、希望される進路との差が大きく、自己管理から指導していくスタイルでは間に合わないと告げ、授業たくさん宿題たくさんの塾を紹介するしかできませんでした。その後については分かりません
実際にどんな指導で各項目を指導しているのか?
実際に「対話する力」などが不足している子に対して、どんな指導をしているのか・・・
ここで行っている一例を紹介します
いろいろなことを「させてみる」ことが大事
自己管理能力表のなかで不足している部分の多くは「それを意識してやったことがない」経験不足からきています
例えば、対話する力の場合、それを発揮しなくても何とかなったりしています(勉強上、なっていない子が多いけど)
なので、その不足を痛感して直そうという意識にはならないです
そこで、私が演習日や普段の授業の中で『対話しないといけない状況』を作ります
こういうときに「ボードゲーム」が大変役に立つのです
対話しないと勝てないボードゲーム
塾だと「人狼」だったり「貿易ゲーム」など、誰かと話さないと自分が勝てないゲームを使っています
声以外のコミュニケーションを取らないといけないボードゲーム
塾だと「マジックメイズ」を使っています
これは無言で、チーム全員がそれぞれの役割をしながら、気づいていないメンバーに対して「無言のまま」やるべきことを伝えてゴールを目指すゲームです
他には
・話したこともない先輩に声をかけて、ボードゲームで対戦してくるmission
などを行っています
意外と1・2回それを経験すると「あ、できる」と開眼するのか、それ以降、普通に「人狼」で誰かに話せるようになったり、隣が初対面の子でも話しかけて一緒に勉強して・・・もできるようになります。そうなったら「対話力あり」になるわけです