コロナ対策万全で、2年ぶりの開催!
ん?貿易ゲーム?という方は先にこちらを
コロナ禍のなか、2020年は開催を断念していましたが、教室内のコロナ対策を整え、仕様を少し変更しながら開催となりました
初の午前・午後開催
今回は初めて午前・午後の二部開催にしました。というのも、貿易ゲーム経験者からすると「待ってました!!」ですし、2年前に参加したかったけどできなかった人にとっても「待ってました!!」ですし、春に新入塾した子(ご家族)からすると「なんだそれ?面白そう」という注目度の高いタイミングで開催できたので、より参加しやすくするため午前・午後にしました
・・・が、結局、経験者の多くは午前・午後の両方参戦していましたね~そのため、午前・午後でシナリオを変更することになり準備が2倍大変になってしまいました(;´・ω・)
貿易ゲームは「世の中を知る」「自分を知る」リアルボードゲーム
ボードゲームのように盤面とかカードはありませんが、ボードゲームのようなゲームです。どちらかといえば「逃走中」みたいな感じでしょうかね
もともと貿易ゲームは小学校の社会科の教材で「世の中を知る」ためのゲームですが、やっていくと「自分を知る」学びがたっぷりだと気付きます。今回はたくさんのアンケート結果を参照しつつ、世の中を知る貿易ゲーム、自分を知る貿易ゲームの2つに分けて書いていこうと思います
世の中を知る貿易ゲーム
貿易ゲームはいくつかの国(グループ)に分かれて「お金を稼ぐ」ゲームです
お金を稼ぐ方法の1つが、製品を作ることです。紙で型をつくって銀行にもっていくとお金に換えてくれます
「え?その材料は?」「それでいくらになるの?」
という疑問だらけになりますが、その疑問だらけのままゲームは開始されます
世の中のルールに一覧表はない
今までの学校生活において(特に勉強)は、様々なルールや公式はすべて分かりやすく、全部教えてもらっていました
大学生になってからのアルバイトでも研修では1から全部教わっていると思います
でも、それだけが「世の中」ではないですよね
例えば、学生でも「クラスでイジメが起きずに1年間過ごせるルール」なんてあったらイジメ問題は起きませんよね
貿易ゲームは、どのサイトを見ても、おそらく上記のルールくらいしか参加者にお伝えしません
そんな状態の中、それぞれの国に「最初のアイテム(資源)」が配布されゲーム開始です
(ここからのゲームの詳細がお伝え出来ないので、説明が省かれる部分が出てきます。ご理解ください)
国=会社・組織 と考えると、自分が見えてくる
学校で行うと同学年・同クラスで行いますが、塾では年齢・学年・性別・大人子どもが混ざって1つの国になります
そのため、これを会社に見立てて考えると、自分(またはお子様)が会社などの組織の中でどう活躍できるか(できていないか)もよく分かる場になります
自分がどういうタイプなのか、振り返ってみよう
今回のゲームでは、こんな振り返りが起こせるようにしました。参加者の人は振り返ってみてください。また興味がある方は「このゲームでこういうことを気づかされる」というゲームでもあると知っておくと、より初参加が楽しめますよ!
受け身人間かどうか
貿易ゲームは誰も正解を持っていません。あとで書きますが「創造」も「解決」も必要です。それを自分で出したのか、誰かが創造したり解決してくれるのをただ待っていたのか・・・そして、この場で出た自分は、普段でもそうではないでしょうか
性別、年齢や立場の上下に頼っているか
あ、大人がいる。経験者がいる。自分より年上がいる。女子は私だけだ・・・ということで「頼る」マインドになっていませんでしたか?彼らも正解を知らないのが貿易ゲームです。頼りにする理由が、年齢や学年だとしたら、それはもはや古い価値観ですよ
合意形成の仕方
国(グループ)の合意形成をどうしていましたか?なかには、国のメンバーが個々に勝手に動いていて、あとから「あれ?お金がない」「あの資源、どこやった?」などトラブルになってましたね。かといって、合意形成をするのに何分もかかり、誰も進行しない(発言しない)国もありましたね。あれは国というよりも、あなた自身に何かできなかったか考えてみるべきです。リーダーを立てて動くのか、みんなで会議して動くのか・・・様々な決定の仕方があると思います
目標マインドがあるか
貿易ゲームの最初に「お金をより多く稼いだ国が勝ち」だと話しましたが、その目標のために動けましたか?自分の保身が優先されていたり、国全体が目標とは別のところに執着しているときに「戻す」ことができましたか?
大きなメッセージとしての「不平等」
この貿易ゲームの気づきとして一番大きいのは「不平等」です
お金を稼ぐという勝負ではありますが、世の中は「平等な競争」はありません(運ゲーのじゃんけんくらいかな)
しかし、初めて参加する人は「世の中はすべて平等で、みんな同じスタートラインだ」と思っているので、はじめは「不平等」に気づきません
何が不平等なのかはここでは書けませんが、自分(国)が何か不足していて、どこかが有利だったりということが世の中では当たり前に起きています。これは国じゃなくても同じですよね。日本でアナタが「スマホ会社を作る!」と思った時点で、ソフトバンク、au、DoCoMo、楽天などの既存の会社と平等にスタートさせてはくれませんよね
これは物資だけではなく、情報や人数、国の配置など、様々なところで「不平等」がおきます
貿易ゲームは、そんな不平等のなかで「全力で勝ちに行く」ことで大きな学びとなるゲームです
結果、有利だった国が勝つこともありますし、不利だった国が国民(メンバー)の活躍で勝つこともあるんです♪
それが毎回シナリオも違う、メンバーも違う、自分の国も違う・・・だから、リピーターが多いわけです
参加者の感想を紹介andコメント
今回の参加者に「自分を知るという点で感じたことはなんですか?」と質問しました。その回答です
自分から動けていなかった
悩んでばかりで行動に起こせない。慎重になりすぎ
少しくらいはリーダーシップ(?)みたいなのあると思ってたんですけどなかったです。Mさん[?]がリーダーシップ発揮してくれて何とか成り立っていた。 ちょっと口が悪くなっちゃうこと。 初めての人と最初はほんとに全然喋れない。慣れるまでに時間が結構必要でした
特に負けた国のメンバーは自戒を込めた反省コメントがたくさんありましたね。やはり「今思い返せば、なぜ動かなったんだ」というコメントが多くなりますね。 自分の性格 < ゲームの勝利 になってくれると新しい自分に出会えるんです
他の人に、よく任せてしまう性格だけど、ちょっとだけ、役に立てたなと思った
友達の前だと喋れるけど 初めての人だと喋れなくてあまり動けなかった
普段は◎◎だけど・・・というコメントも多く見られました。普段と同じになってしまった・・・というコメントもあれば、普段と違って◎◎できたというコメントもあります。普段と違って◎◎できた!という子は今後いろいろなところでそれを発揮できるキッカケになったと思いますし、できなかった子は次回こそ!という思いで参加してくれると思います
人見知りで、自分は不器用で何もできないと思っていたけど、作る仕事はできた
判断力が思った以上に貿易ゲームでは発揮できた
貿易ゲームのなかで「自分に何ができるか」を考えた子は、何か1つでも「役割を担えた」と思います。国によっては役割分担をしたかもしれません。その役割も、自分で納得して決まったのか、自分ができる役をもらったのか・・・など、そこにも学びがあると思います
貿易ゲームは必ずしも、自分がリーダーになって率先して行動しなくてもいいです。それは世の中も一緒です
ときには、みんなの話を聞き出す人だったり、場を和ませる役立ったり、サボっている子を引き締める役も必要です
自分がその場でどう活躍できるのか?は毎回かわります
「自分はいつも◎◎役」と決めつけずに、例えばリーダーを誰もやらないならリーダー役をやってみるなどチャレンジする場にするといいかもしれないですね!実社会や学校と違って、この日だけのグループです。失敗しても後から気まずくなることもありません。思い切って「行動」できるのも貿易ゲームの良さです
「世の中」は創造と解決!
僕は、『創造』と『解決』、この2つの能力を高めることに尽きると考えています。社会に出ると、理系の場合は特に、いかにあたらしいものを作り出していけるかという『創造』力が必要です。一方、文系では社会で起きている問題を『解決』する力が求められる場合が多いでしょう(もちろん、文・理ともに両方の要素を求められますが)。受験というのは、それを鍛える基礎練習になる部分が大きいと考えています。社会に出ると、受験とは違って、答えが1つかどうか、いやそれ以前に答えがあるかどうかもわからない『問題』を解かねばなりません。それでも、受験という答えのある問題を解く練習をする中で、答えのない問題を解ける基礎ができる部分もあるのです。皆さんが受験を通じて、さらに大学での勉強を通じてこの意識を持っていないと、勉強のための勉強で終ってしまいかねません。最終的なゴールは『創造』と『解決』です。受験勉強は、あくまでもこのゴールに向かう一課程にすぎないという意識を持ってほしいと思います。
~『受験必要論~人生の基礎は受験で作り得る~』林修著より引用~
林先生のこの言葉がすごく好きでよく引用していますが、ホントにこれです
今の小中高校生をみていても、スタッフをみていても、この2つの能力があるかどうかと成績はあまり一致しません
『言われたことを言われた通りにやっていて成績を取っていて、言われたところに進学しているだけ』という子がまだまだいますし、それを親や学校が後押ししてしまっている現状もまだあります
貿易ゲームでは、開始してから終わりまでずっと「解決」をしないといけません。しかも正解かどうかも分からないし、時間も無限ではありませんし、相手(他国)もありますし、また次の「解決すべき問題」も出てきます
さらに、私や周りから「今、なにが問題か」も言ってもらえないので、自ら「問いを生む出す(創造)」も必要になります
お子様は、学校の勉強ではない場で「創造と解決をトレーニングする場」があるでしょうか?
塾屋での貿易ゲームは次回は夏を予定しています
コロナ禍で今は難しいと思いますが、日本全国の学校や塾などの教育現場で(出張)貿易ゲームを行うこともできます
「ぜひやってほしい」という方はご連絡くださいませ(^^♪