貿易ゲーム2021春の陣~世の中を知る~

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コロナ対策万全で、2年ぶりの開催!

ん?貿易ゲーム?という方は先にこちらを

コロナ禍のなか、2020年は開催を断念していましたが、教室内のコロナ対策を整え、仕様を少し変更しながら開催となりました

初の午前・午後開催

今回は初めて午前・午後の二部開催にしました。というのも、貿易ゲーム経験者からすると「待ってました!!」ですし、2年前に参加したかったけどできなかった人にとっても「待ってました!!」ですし、春に新入塾した子(ご家族)からすると「なんだそれ?面白そう」という注目度の高いタイミングで開催できたので、より参加しやすくするため午前・午後にしました

・・・が、結局、経験者の多くは午前・午後の両方参戦していましたね~そのため、午前・午後でシナリオを変更することになり準備が2倍大変になってしまいました(;´・ω・)

貿易ゲームは「世の中を知る」「自分を知る」リアルボードゲーム

ボードゲームのように盤面とかカードはありませんが、ボードゲームのようなゲームです。どちらかといえば「逃走中」みたいな感じでしょうかね

もともと貿易ゲームは小学校の社会科の教材で「世の中を知る」ためのゲームですが、やっていくと「自分を知る」学びがたっぷりだと気付きます。今回はたくさんのアンケート結果を参照しつつ、世の中を知る貿易ゲーム、自分を知る貿易ゲームの2つに分けて書いていこうと思います

世の中を知る貿易ゲーム

貿易ゲームはいくつかの国(グループ)に分かれて「お金を稼ぐ」ゲームです

貿易ゲーム2021

お金を稼ぐ方法の1つが、製品を作ることです。紙で型をつくって銀行にもっていくとお金に換えてくれます

「え?その材料は?」「それでいくらになるの?」

という疑問だらけになりますが、その疑問だらけのままゲームは開始されます

世の中のルールに一覧表はない

今までの学校生活において(特に勉強)は、様々なルールや公式はすべて分かりやすく、全部教えてもらっていました

大学生になってからのアルバイトでも研修では1から全部教わっていると思います

でも、それだけが「世の中」ではないですよね

例えば、学生でも「クラスでイジメが起きずに1年間過ごせるルール」なんてあったらイジメ問題は起きませんよね

貿易ゲームは、どのサイトを見ても、おそらく上記のルールくらいしか参加者にお伝えしません

貿易ゲーム2021塾

そんな状態の中、それぞれの国に「最初のアイテム(資源)」が配布されゲーム開始です

(ここからのゲームの詳細がお伝え出来ないので、説明が省かれる部分が出てきます。ご理解ください)

貿易ゲームのルールは、世の中と同じ

もともとが社会科の教材である貿易ゲームは、社会科としてのメッセージ性が強いです

最近だとSDGsを取り入れることもできるため、学校でも実施が増えています

例えば、こんなことも起きます

今回のゲーム内では、こんなことが起きました。参加者・経験者の方は、そのとき自分がどう思ったのか、何をしたのか、国としてどう対処したのか・・・思い出してみましょう(^^♪

働き方改革

働きすぎのメンバーがいた国では、強制的にその人を「休養」させました。これは現在の働き方改革で残業を無くす、分業を促すことを反映したイベントです

感染症

今回は「ライオン」をキーワードに、コロナ禍もあって今リアルに起きた場合を想定した国の対応を考えてもらいました。感染リスク、ワクチンをどうするかなど

貿易ゲーム2021塾屋
謎のライオン人形・・・この国はこれが重要だと知らないんです・・・

産業廃棄物

生産をしていけばゴミも出ますよね。そのゴミは産業廃棄物となります。これって・・・どうします?

税務調査

国といえど、生産をしているのは「会社(企業)」ですよね。当然、稼いだお金全額は懐におさめられないですよね。ということで、税務調査を行い、納税もありました・・・一瞬、脱税しようと思いませんでしたか??

大きなメッセージとしての「不平等」

この貿易ゲームの気づきとして一番大きいのは「不平等」です

お金を稼ぐという勝負ではありますが、世の中は「平等な競争」はありません(運ゲーのじゃんけんくらいかな)

しかし、初めて参加する人は「世の中はすべて平等で、みんな同じスタートラインだ」と思っているので、はじめは「不平等」に気づきません

何が不平等なのかはここでは書けませんが、自分(国)が何か不足していて、どこかが有利だったりということが世の中では当たり前に起きています。これは国じゃなくても同じですよね。日本でアナタが「スマホ会社を作る!」と思った時点で、ソフトバンク、au、DoCoMo、楽天などの既存の会社と平等にスタートさせてはくれませんよね

これは物資だけではなく、情報や人数、国の配置など、様々なところで「不平等」がおきます

貿易ゲームは、そんな不平等のなかで「全力で勝ちに行く」ことで大きな学びとなるゲームです

結果、有利だった国が勝つこともありますし、不利だった国が国民(メンバー)の活躍で勝つこともあるんです♪

それが毎回シナリオも違う、メンバーも違う、自分の国も違う・・・だから、リピーターが多いわけです

参加者の感想を紹介andコメント

今回の参加者に「世の中を知るという点で感じたことはなんですか?」と質問しました。その回答です

これが正解だと思っても世の中はどんどん変わっていく。ひとつの方法ではやっていけない

将来何が起こるかは誰にも分からないこと

前のゲームでやった「当たり前」は、今回の「当たり前」にはならないんです。次に何が起こるか分からないからこそ、今のことに全力を尽くし、起きたことに対処(対応)する力が必要です

子どもでも出来ると言う事

年齢、性別、立場は関係ないことが多い

貿易ゲームでは子どもも大人も混ざって参加します。後で書きますが、世の中は「創造と解決」の繰り返しです。もちろん、技術的な面では大人に劣りますが、創造や解決のアイデアは年齢は関係ありません。今回も、子どもたちが大人を引っ張る場を何度も目撃しました

大人だからといって交渉が上手く出来るとは限らない

これはおそらく負けた国の子どもでしょうねw 大人=子どもよりすごい、何でもできる というのは「世の中」ではあてはまりません。学校の勉強とかならあてはまるかもしれませんけど・・・困ったら「大人の参加者に任せていた」国は負けてましたね、今回。このコメント(気づき)を得られたのは大きいですよ

人によって得意不得意があるけど協力したら意外となんでもできたこと

これも貿易ゲームならではですよね。勉強や試験は個人競技であり、得意も苦手も自分に返ってきますが、国という単位で行うため、自分たちの得意を出して苦手をカバーしていくと大きな国力になりました。優勝した午前・午後の国はそれが自然(話し合ったかも)に「あ、ここはあの人に任せて私は・・・」というのをやっていましたね

まずは行動しないと次へ進めないこと、何も始まらないことを再認識した。でも、国レベル(つまり自分の行動に責任を負う場合)では失敗が許されない。そういうときには、そう簡単に行動しにくい。そういうときには、どうしているんだろうか?と検討もつかない

これも深いコメントですよね。自分が何か動かないといけないと思いながらも、その行動の結果が国(全体)に影響してしまう・・・そこで尻込みしてしまう。これは「自分を知る」部分にもなりますね

「世の中」は創造と解決!

僕は、『創造』と『解決』、この2つの能力を高めることに尽きると考えています。社会に出ると、理系の場合は特に、いかにあたらしいものを作り出していけるかという『創造』力が必要です。一方、文系では社会で起きている問題を『解決』する力が求められる場合が多いでしょう(もちろん、文・理ともに両方の要素を求められますが)。受験というのは、それを鍛える基礎練習になる部分が大きいと考えています。社会に出ると、受験とは違って、答えが1つかどうか、いやそれ以前に答えがあるかどうかもわからない『問題』を解かねばなりません。それでも、受験という答えのある問題を解く練習をする中で、答えのない問題を解ける基礎ができる部分もあるのです。皆さんが受験を通じて、さらに大学での勉強を通じてこの意識を持っていないと、勉強のための勉強で終ってしまいかねません。最終的なゴールは『創造』と『解決』です。受験勉強は、あくまでもこのゴールに向かう一課程にすぎないという意識を持ってほしいと思います。

~『受験必要論~人生の基礎は受験で作り得る~』林修著より引用~

林先生のこの言葉がすごく好きでよく引用していますが、ホントにこれです

今の小中高校生をみていても、スタッフをみていても、この2つの能力があるかどうかと成績はあまり一致しません

『言われたことを言われた通りにやっていて成績を取っていて、言われたところに進学しているだけ』という子がまだまだいますし、それを親や学校が後押ししてしまっている現状もまだあります

貿易ゲームでは、開始してから終わりまでずっと「解決」をしないといけません。しかも正解かどうかも分からないし、時間も無限ではありませんし、相手(他国)もありますし、また次の「解決すべき問題」も出てきます

さらに、私や周りから「今、なにが問題か」も言ってもらえないので、自ら「問いを生む出す(創造)」も必要になります

お子様は、学校の勉強ではない場で「創造と解決をトレーニングする場」があるでしょうか?

塾屋での貿易ゲームは次回は夏を予定しています

コロナ禍で今は難しいと思いますが、日本全国の学校や塾などの教育現場で(出張)貿易ゲームを行うこともできます

「ぜひやってほしい」という方はご連絡くださいませ(^^♪

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