昭和の給食指導と平成~令和の給食指導
私をはじめ昭和生まれの多くの方が、子どもの頃の給食に対して嫌な思い出が1つ2つあるかと思います
おそらく一番多いのが
- 時間が過ぎても食べさせられた
- 残さず全部食べるのがつらかった
私の場合、小学校1・2年生が顕著で、常にクラスで最も遅く、嫌々食べていました。どうやったら給食を「食べたことに」できるか・・・と、パンを机に隠したりもしていました
それが、平成に入ったあたりから徐々に給食指導が変わってきました
今では
- 最初に量を減らしたい子は減らしてOK(その代わり、完食しよう)
- 時間が来たら、終わり
という指導になっているようです
もしかしたら、昭和の給食指導をしている先生がいるかもしれませんが、かなりのレアケースだと思います
給食指導の違いと、子どもの目標達成の価値観の違いが似ている
昭和の給食指導が
『与えられた量を、頑張って食べきりなさい』
平成・令和の給食指導が
『自分で決めた量を、頑張って食べられるだけ食べなさい』
と一言でまとめたとします
私が塾で指導をしていて、そして懇談会でお母さん・お父さんと話していて思うのが
「あー自分たちのときと違うな」という点の1つが、目標達成に対する価値観です
私たち昭和の目標達成の価値観は
『最初に決めた目標をなるべく高くして、それに向けて心が折れようが諦めず達成させる』
『五分五分の確率なら勝負』
そして、その子・孫世代である平成・令和の目標達成の価値観は
『目標は今の自分ができそうな目標にして、もし無理そうなら目標を下げたり、目標を目指すのをやめておく』
『90%くらいクリアできる目標なら挑む』
この給食と目標達成・・・似ていませんか?
少し前に「草食系」なんて言葉が流行しましたが、今、給食ではまだガツガツとおかわりしまくる子がいますが、目標達成に対して高い壁でもガンガン行動して立ち向かっていく・・・という子は絶滅危惧種を見つけるような割合になりましたね
どちらが良い悪いではなく『志』の大きさで対応すべき
これはギャンブルにも似ていますよね
例えば、倍率2倍の賭けをしたとして、100円なら勝ったら200円もらえて、負けたら100円失いますが、1万円なら勝ったら2万円、負けたら1万円失うという違いです
今、お子様が設定している(または設定してもらっている)目標に対する『志』の大きさによって、対応すればいいと考えています
例えば、入試合格という目標設定があるとして
その子のレベルより数段高いA高校に『意地でも行く』気持ちでいるなら、難しかろうが、模試などの結果が悪かろうが立ち向かわせるべきです
しかし、その理由が弱かったり、そこまで高校受験に対する重要度が高くない場合は『現実的な水準まで直前で下げる』こともアリだと思います
塾屋では、演習日・テスト対策・受験対策は『目標設定』を使い分けます
塾でも、テスト結果の設定や受験時の志望校設定については上記のように「志」で使い分けます
そして、その「志」については、お子様自身=ご家庭の意思だと考えて使い分けています
分かりやすい例を挙げると
小学生(6年生)・・・演習が期限までに終わらない→演習内容を他の子と変更したり、期限を設けずに指導を行う
中学生(3年生)・・・秋になっても、受験対策を進められない(期限に確実に間に合わない)→志望校を変更するよう勧めて、高校も進学校ではない進路を勧める
高校生(2年生)・・・受験コンパスで作成した受験対策のスケジュールが間に合わず、特に追い込みもしていない→同じ学科で大学を変更するよう勧めるか、推薦型・総合型での受験に切り替える
昭和の価値観を押し付けるのはやめましょう
私もそうですが、保護者の方も「子どものうちに高い壁でも目標に向けて立ち向かわせないと大人になっても・・・」という考えを持ってしまいがちです
もちろん、それだけ「志」というか「覚悟」がある目標なら、みんなで協力して立ち向かわせるべきだと思います
しかし、そうでもないなら、無理に作った目標で、それに立ち向かえずに自分を見失い「鬱」になる中高生もいます
中高生で「志す」といえるほどのものが見つかる方が珍しいです。学生時代は20年で終わりますが、人生100年とすれば、非学生は80年もあります。人生のどこかで「これだ!」というものに出会うはずです
もしかすると、そのときに
「あー子どもの頃にそういう立ち向かった経験をしてこなかったな」と後悔したとしても、大人の良いところは『期限』が学生時代ほど厳しくない事です。例えば、大人になって大学に入り直そう!と思ったとして、入試は毎年あるので、1年でダメでも2年目、3年目でもいいと思うんです
でも、最後にこれだけは言わせて!
勉強に対して、今の自分ができる範囲で向き合っているキミ(もしくは、その保護者の方)
これだけは親子で徹底してください
- テスト結果が悪い(上がらない)
- 受験(入試)で受ける学校の難易度やランク
この2つは気にしてはいけません
学校の定期テストや入試は、今や1つのスポーツです
趣味でいい人、初心者の人もいれば、長年の経験者、プロを目指す人、TOPを目指す人もいますよね
勉強だって
テキトーにやっている子、勉強に向き合いだした子、小学生から塾などで準備している子、高学力を要する進路を希望する子
熱量は様々です
なので
自分が理解できるレベルで、大変じゃない量で、苦手なところは向き合わない勉強
をしている以上、その同レベルの子たちの層のなかで順位や結果が変動する程度だと自覚してください
私はよく懇談で「散歩と駅伝選手」で例えています
自分(もしくは我が子)の勉強は、散歩と同じで争ったり比較するものじゃない
と自覚したうえで
『じゃぁ、その勉強を通じて、何を身につけるのか』に期待をしてもらえたらなと思います
例えば
・困った時に相談や質問ができる子
・コミュニケーション能力が高く、勉強内容以外の場面で活躍できる子
・時間管理などの自己管理ができる子
・自分が「できる」といった範囲や量は確実に出来る子
こういうことを期待してほしいんです
ここ最近は、成績を◎◎位以内にしたいんです!〇〇大学に行きたいんです!という子(保護者の方)はほとんどいなくて、上記のように、勉強生活を通じて〇〇ができる子になってほしいと願って塾に相談にいらっしゃる方が多いです
ちなみに、私の娘も私同様、給食で苦労していて、学校では「最初に食べられる量に減らす」ことができるそうですが、それをしても「完食するのはクラスで最後」という遅さです( ;∀;)